音楽教室における再生・演奏に著作権者の許可が必要か

音楽教室で他人の楽曲を演奏する場合に、楽曲の著作権者に許可を得る必要があるでしょうか?

まず、広義の著作権は著作者人格権(同一性保持権、公表権、氏名保持権)と著作財産権を含みます。著作財産権は「権利の束」といわれており、様々な権利(複製権、上演権、公衆送信権、貸与権など)を含む概念です。この様々な権利を支分権といいます。

複製権 著作物を複製する権利
上演権
演奏権
著作物を公に上演したり演奏したりする権利
上映権 著作物を公に上映する権利
公衆送信権
公の伝達権
著作物を公衆送信したり、自動公衆送信の場合は送信可能化したりする権利。また、公衆送信されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利
口述権 言語の著作物を公に口述する権利
展示権 美術の著作物や未発行の写真の著作物を原作品により公に展示する権利
頒布権 映画の著作物をその複製によって頒布する権利
譲渡権 著作物を原作品か複製物の譲渡により、公衆に伝達する権利(ただし、映画の著作物は除く)
貸与権 著作物をその複製物の貸与により公衆に提供する権利
翻訳権
翻案権など
著作物を翻訳、編曲、変形、翻案等する権利(二次的著作物を創作する権利)
二次的著作物
利用権
自分の著作物を原作品とする二次的著作物を利用(上記の各権利に係る行為)することについて、二次的著作物の著作権者が持つものと同じ権利

例えば、店舗でBGMを流す場合には「演奏権」が問題となります。著作権処理がされているUSENや、テレビ・ラジオをリアルタイムで流すような場合は大丈夫なのですが、手持ちのCDなどをBGMとするには演奏権の利用手続きが必要となってきます。

それでは、音楽教室の場合にはどうでしょうか。音楽教室では先生と生徒だけしかいない空間で練習のために演奏することになります。そのような演奏でも、演奏権の利用手続きが必要になるでしょうか。

演奏権とは

著作物を公衆に対し公に演奏する権利を演奏権といいます(著作権法22条)

著作権法
第二十二条 著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。

ここでいう「演奏」に生の演奏が含まれるのはもちろんですが、レコード、ビデオ、CDの再生など、演奏を録音、録画したものを再生したり、電気通信設備を用いて伝達すること(例えば、演奏をしているホールのロビーでスピーカーやテレビを通じて流すこと)も含まれます(著作権法2条7項)。

「公衆」とは不特定の者だけではなく、特定多数の人も含みます(著作権法2条5項)。

著作権法
第2条
(1~4項略)

5 この法律にいう「公衆」には、特定かつ多数の者を含むものとする。

(中略)

7 この法律において、「上演」、「演奏」又は「口述」には、著作物の上演、演奏又は口述で録音され、又は録画されたものを再生すること(公衆送信又は上映に該当するものを除く。)及び著作物の上演、演奏又は口述を電気通信設備を用いて伝達すること(公衆送信に該当するものを除く。)を含むものとする。
(以下略)

支分権である複製権と演奏権を比較すると、「複製権」では著作物の有形的な複製が問題となります。そのような有形の複製物は外部に流出する可能性がありますので、私的領域における複製といえども基本的には著作権権侵害となります(私的利用などを除きます)。

しかし、演奏の場合は形として残らない再生ですので「公に」演奏する権利が著作権として保護されるに留まります。したがって、私的領域である風呂場の鼻歌は(聴衆がいない限り)著作権法上の演奏権を侵害しないということになります。

さらに、演奏が次の要件を全て備える場合には、演奏権侵害とはなりません(著作権法38条1項)。アマチュア楽団が無償で行う演奏会などがこれにあてはまります。一方、企業が宣伝のために行うような演奏会は例え無償であっても営利目的ですので、これにあてはまりません。

演奏権侵害とならない行為
  • 公表された著作物を演奏する
  • 営利を目的としない
  • 聴衆、観衆から対価を受けない
  • 実演家に対し報酬が支払われない

それでは、音楽教室における再生・演奏は演奏権を侵害するでしょうか。

音楽教室の演奏は教師、生徒の両方が行います。著作権法上、演奏しているのは教師及び生徒でしょうか、それとも音楽教室事業者でしょうか。

また、音楽教室では、限られた数の生徒に対して演奏を行います。そのような場合に「公衆」に対して演奏しているといえるでしょうか。

さらに、音楽教室における演奏はレッスンのためですので「聞かせることを目的としている」演奏といえるのでしょうか。

音楽教室v.s.JASRAC 音楽教室事件第一審
(東地判令和2年2月28日・平29(ワ)20502号 ・同25300号)

事案の概要と争点

音楽教室における演奏が演奏権侵害になるかどうかが争われた裁判例をご紹介します。

本件は音楽教室を主宰する原告ら(ヤマハその他)が、音楽教室、歌唱教室等からの使用料徴収を開始するとアナウンスした著作権管理事業者である被告(JASRAC)に対し、原告らの音楽教室における被告管理楽曲の使用にかかわる請求権(著作権侵害に基づく損害賠償請求権又は不当利得返還請求権)を被告が有しないことの確認を求めた、音楽教室における著作物使用にかかわる請求権不存在確認事件です。

すなわち、音楽教室において教師や生徒がJASRACの管理楽曲を教室で演奏しても著作権侵害にならないことを確認することを求めた事件です。

本件では多数の争点が審理されましたが、本記事では次の点について取り上げます。

争点
  • 音楽教室における演奏が「公衆」に対するものであるか
    • 誰が演奏しているのか
    • 生徒は「公衆」にあたるか
  • 音楽教室における演奏が「聞かせることを目的」としているか

音楽教室における演奏は「公衆」に対するものか

音楽教室で演奏をしているのは誰か

音楽教室において、JASRACが管理している楽曲を「演奏」して著作物の利用をしているのは、音楽教室事業者でしょうか、教師・生徒でしょうか。

これについて裁判所は

「原告らの音楽教室のレッスンにおける教師及び生徒の演奏は、営利を目的とする音楽教室事業の遂行の過程において、その一環として行われるものであるところ、音楽教室事業の上記内容や性質等に照らすと、音楽教室で利用される音楽著作物の利用主体については、単に個々の教室における演奏の主体を物理的・自然的に観察するのみではなく、音楽教育事業の実態を踏まえ、その社会的、経済的側面も含めて総合的かつ規範的に判断されるべき」

「原告らの音楽教室における音楽著作物の利用主体の判断に当たっては、利用される著作物の選定方法、著作物の利用方法・態様、著作物の利用への関与の内容・程度、著作物の利用に必要な施設・設備の提供等の諸要素を考慮し、当該演奏の実現にとって枢要な行為がその管理・支配下において行われているか否かによって判断するのが相当である(クラブキャッツアイ事件最高裁判決、ロクラクⅡ事件最高裁判決参照)」

著作物の利用による利益の帰属については、上記利用主体の判断において必ずしも必須の考慮要素ではないものの、本件における著作物の利用主体性の判断においてこの点を考慮に入れることは妨げられないと解すべきである(ロクラクⅡ事件最高裁判決の補足意見参照)。」

と一般論を述べました。

2つの最高裁判例

ここで引用されているクラブキャッツアイ事件最高裁判決は、いわゆる「カラオケ法理」について述べたものです。カラオケスナックなどの店舗では、楽曲を演奏(歌唱)するのは客であり、店舗ではありません。しかし、最高裁は

「店側はカラオケ機器を設置して客に利用させることにより利益を得ている上、カラオケテープの提供や客に対する勧誘行為などを継続的に行っていることから、客だけでなく店も著作物の利用主体と認定すべきである」

として、店側の著作権侵害を認めました。

このカラオケ法理を著作権侵害一般に敷衍し、複製行為、演奏行為など、実際の物理的な利用行為をした者とはいえないような者であっても、(1)管理(支配)性および(2)営業上の利益から、利用行為の主体といえるか否かを判断する裁判例が多くみられるようになりました。特許法と異なり、著作権法には間接侵害の規定はありませんが、実際の行為者ではなく、著作物の利用者を「規範的に」判断する間接侵害・規範的侵害的な法理といえます。

本事件が参照しているロクラクⅡ事件は、放送番組の録画機器を製造販売、レンタルしているサービス提供者が、放送事業者より複製権侵害で訴えられた事件ですが、最高裁は

「複製の主体の判断に当たっては、複製の対象、方法、複製への関与の内容、程度等の諸要素を考慮して、誰が当該著作物の複製をしているといえるかを判断するのが相当」

と判示し、複製主体はユーザーではなくサービス提供者であるとしました。さらに補足意見ではカラオケ法理を

「法概念の規範的解釈として一般的な法解釈の手法の一つに過ぎないのであり、これを何か特殊な法理論であるかのようにみなすのは適当でない」「行為に対する管理・支配と利益の帰属という二要素を固定的なものと考えるべきではない」

としています。

ロクラクⅡ事件は最高裁が「カラオケ法理」を一般的な法理として採用することを否定したものとも捉えられており、本判決が2つの最高裁判決を参照しているのは興味深いところです。

利用主体判断の考慮要素

本事件の判示によると、次のような要素を考慮して「演奏の実現にとって枢要な行為が音楽教室の管理・支配下で行われているか」を判断しています。さらに、著作物の利用による利益の帰属についても判断主体の判断において考慮してよい(必須ではない)とされました。

  1. 利用される著作物の選定方法
  2. 著作物の利用方法・態様
  3. 著作物の利用への関与の内容・程度
  4. 著作物の利用に必要な施設・設備の提供、—を考慮して管理・支配の要件を判断する
  5. 著作物の利用による利益の帰属についても利用主体の判断において考慮してよい

そして、これらの考慮要素について、次のような事実を認定しました。

  1. 原告らと同視しうる教師が課題曲を選定している
  2. 原告らに雇用等されている教師が演奏・録音物の再生をする、生徒の演奏は原告らと同視できる教師の指導に従って行われる
  3. 生徒に対しては、原告らの指導理念や方針に従った指導が行われている
  4. 音楽教室は原告らが備え付けた設備・装置を使用して行われる
  5. 音楽教室の生徒が原告らに対して支払うレッスン料の中には、教師の教授料のみならず、音楽著作物の利用の対価部分が実質的に含まれている

上記から、裁判所は

「原告らの音楽教室で演奏される課題曲の選定方法、同教室における生徒及び教師の演奏態様、音楽著作物の利用への原告らの関与の内容・程度、著作物の利用に必要な施設・設備の提供の主体、音楽著作物の利用による利益の帰属等の諸要素を考慮すると、原告らの経営する音楽教室における音楽著作物の利用主体は原告らである」

として、原告の利用主体性を認めました。

裁判所の判断
  • 演奏の主体は、演奏の実現にとって枢要な行為がその管理支配下において行われているか否かによって判断する
  • 著作物利用主体の判断に、利益の帰属を考慮に入れることも許される
  • 音楽教室の経営主体が、音楽教室における音楽著作物の(規範的な)利用主体である

利用主体である原告らからみて、生徒は「公衆」か

音楽レッスンを受ける生徒の数は限られており、1つの教室でレッスンを受ける生徒は多くありません。また、毎回決まった生徒(特定の生徒)がレッスンを受けます。そのような生徒が「公衆」といえるでしょうか。

著作権者の権利が及ばないのは「公衆」でない者、すなわち「特定」かつ「少数」の者という事になりますので、裁判所はこれについて検討しています。

生徒は「特定」の者といえるか

これについて、裁判所は

「著作権法22条に基づき演奏権について著作権者の権利が及ばないのは、演奏の対象が『特定かつ少数の者』の場合であるところ、『特定』の者に該当するかどうかは、利用主体との間に個人的な結合関係があるかどうかにより判断すべきである。これを本件に即していうと、音楽教室における音楽著作物の利用主体である原告ら音楽教室事業者からみて、その顧客である生徒が『特定』の者に当たるかどうかは、原告らが音楽教室のレッスンの受講を申し込むに当たり、原告らとその生徒との間に個人的な結合関係があったかどうかにより判断することが相当である」

としました。

そして、受講契約を締結すれば、誰でもそのレッスンを受講することができるのだから、契約締結時点で原告らと生徒との間には個人的な結合関係はないとしました。

これに対し、原告らは契約締結後を基準として特定の者に当たるかを判断すべきと主張しましたが、裁判所は「著作権法22条が『公衆に直接…聞かせることを目的』とする場合に演奏権等が及ぶとしているのは、著作権の経済的利益性に着眼し、そのような場合には、著作物の提示の対象とする者の範囲・人数等が著作物の利用による経済的効用を認めるに足りるものであるから」という著作権法の趣旨より、特定の者か否かは「音楽教室において申込みをすることができる対象者が特定の者に限定されているかどうか」から判断し、「音楽教室事業者と契約を締結した後の個人的な結合関係の有無やその強弱は問わない」としました。

生徒は「多数の者」といえるか

多数の者に対する者かどうかについては、「一時点のレッスンにおける生徒の数のみではなく、音楽教室事業の実態を踏まえ、社会通念に照らして、その対象が『多数』ということができるかという観点から判断」として、教室を全国に多数展開していることをもって、生徒は「多数」であるとしました。

生徒は「公衆」に当たるか

以上から、裁判所は「音楽教室における生徒は、利用主体たる原告らにとって、不特定の者であり、また、多数の者にも当たるから、『公衆』に該当する」としました。

裁判所の判断
  • 音楽教室の生徒が「特定」の者か否かは、音楽教室事業者との間に個人的な結合関係があるか否かで判断する
  • 音楽教室の生徒が「多数」か否かは、一時点のレッスンにおける生徒の数のみではなく、音楽教室事業の実態を踏まえ、社会通念に照らして、その対象が「多数」ということができるかという観点から判断する
  • 音楽教室における生徒は、音楽教室事業者(演奏主体)にとって不特定かつ多数の者であり「公衆」に該当する

音楽教室における演奏は「聞かせることを目的」とするものか

音楽教室でレッスン用のCDを再生したり、先生や生徒が演奏するのは、「公衆」である生徒に「聞かせることを目的」とするものでしょうか。ここでは、著作権法22条の「聞かせることを目的」の意義が問題となりました。

確かに、これらの再生・演奏はレッスンのためですので「聞き手に官能的な感動を与えることを目的とする演奏、すなわち音楽の著作物としての価値を享受させることを目的とする演奏」(原告主張)とはいいがたいです。

これについて裁判所は

「著作権法22条は、『公衆に直接…聞かせることを目的』とすることを要件としているところ、その文言の通常の意義に照らすと、『聞かせることを目的とする』とは、演奏が行われる外形的・客観的な状況に照らし、音楽著作物の利用主体から見て、その相手である公衆に演奏を聞かせる目的意思があれば足りる」と一般論を述べました。また、「『聞かせることを目的』とする要件は、家庭内での演奏など、公衆が存在せず、外形的・客観的にみて公衆に聞かせる目的があるとは考えられない状況下での演奏等を除外する趣旨で設けられたもの」

として、原告らの主張を排斥しました。

そして、「レッスンにおいて、原告ら音楽教室事業者と同視し得る立場にある教師が、公衆である生徒に対して、自らの演奏を注意深く聞かせるため、すなわち『聞かせることを目的』として演奏していることは明らか」として「聞かせる目的」があったと認定しました。

また、生徒については「生徒の演奏技術の向上のために生徒自身が自らの演奏を注意深く聞く必要がある」「グループレッスンにおいては,他の生徒の演奏を聞くことが自らの演奏技術の向上にとって必要である」として、生徒が「自ら又は他の生徒の演奏を聞くことの必要性,有用性に照らすと,その演奏は,公衆である他の生徒又は演奏している生徒自身に『聞かせることを目的』とするものである」として、生徒の演奏も「聞かせる目的」があったと認定しました。

裁判所の判断
  • 「聞かせることを目的とする」とは演奏を聞かせる目的意思があれば足りる
  • この要件は、家庭内での演奏など、公衆が存在せず、外形的・客観的にみて公衆に聞かせる目的があるとは考えられない状況下での演奏等を除外する趣旨で設けられたものである
  • レッスンにおいて、教師が生徒に対して「聞かせることを目的」として演奏していることは明らかである
  • 生徒の演奏は、公衆である他の生徒又は演奏している生徒自身に「聞かせることを目的」とするものである

結論

裁判所はその他の原告の主張も排斥し、「原告らの音楽教室における被告管理楽曲の使用にかかわる請求権(著作権侵害に基づく損害賠償請求権又は不当利得返還請求権)が被告との間で存在しないことを求める原告らの請求(予備的請求を含む。)はいずれも理由がない」として、音楽教室事業者が演奏権を侵害する主体であり、著作権者には損害賠償請求権等が認められる、すなわち、JASRACは著作権利用料を徴収できる、としました。

音楽教室事件第一審判決まとめ

裁判所の判断をざっくりまとめると次のとおりとなります。

音楽教室における演奏主体は(総合的・規範的に判断して)音楽教室事業者である

演奏の主体は、演奏の実現にとって枢要な行為がその管理支配下において行われているか否かによって判断する。

著作物利用主体の判断に、利益の帰属を考慮に入れることも許される。

音楽教室における生徒は、不特定多数のものに当たるから「公衆」に該当する

音楽教室の生徒が「特定」の者に該当するかどうかは、利用主体との間に個人的な結合関係があるか否かで判断する。

音楽教室の生徒が「多数」か否かは、一時点のレッスンにおける生徒の数のみではなく、音楽教室事業の実態を踏まえ、社会通念に照らして、その対象が「多数」ということができるかという観点から判断する。

音楽教室における生徒は、音楽教室事業者(演奏主体)にとって不特定かつ多数の者であり「公衆」に該当する。

音楽教室における演奏は公衆たる生徒に「聞かせることを目的」とするものである

「聞かせることを目的とする」とは、演奏が行われる外形的・客観的な状況に照らし、音楽著作物の利用主体から見て、その相手である公衆に演奏を聞かせる目的意思があれば足りる。

聞かせることを目的」とする要件は、家庭内での演奏など、公衆が存在せず、外形的・客観的にみて公衆に聞かせる目的があるとは考えられない状況下での演奏等を除外する趣旨で設けられたものである。

レッスンにおいて、教師が生徒に対して「聞かせることを目的」として演奏していることは明らかである。

生徒の演奏は、公衆である他の生徒又は演奏している生徒自身に「聞かせることを目的」とするものである。

結論
音楽教室事業者は演奏権を侵害するから、著作権者から音楽教室事業者に対する損害賠償請求権、不当利得返還権等は認められる。

控訴審判決について

本事件は上訴され、知財高裁で審理されました。

3月18日、第一審判決を一部変更する判決が出たようです。

知財高裁は、音楽教室での演奏について、主体は教師・生徒で、公衆に聞かせることを目的としたものであると認めて、使用料を徴収できると判断した1審・東京地裁判決を一部変更。教師による演奏には徴収権を認めて、生徒による演奏には徴収権を認めないと判断した。JASRAC VS 音楽教室、知財高裁は「一部変更」判決…生徒の演奏には「徴収権」認めず – 弁護士ドットコム

生徒による演奏には徴収権を認めない、といっても、音楽教室ですから教師が演奏しないことはおよそあり得ません。そう考えると、JASRACが演奏権利用料を徴収できることは揺らがないと思われます。控訴審判決は、公開され次第また取り上げる予定です。

笠原 基広