平成26年の商標法改正によって、動き商標・ホログラム商標・色彩のみからなる商標・音商標・位置商標といった、新しいタイプの商標が登録可能になったんですよ。
日本で認められている商標
現在、日本の商標法の下では、次の9つの類型の商標が認められています。
- 文字商標
- 図形商標
- 記号商標
- 立体商標
- 動き商標
- ホログラム商標
- 色彩のみからなる商標
- 音商標
- 位置商標
(このほか、1から4まで及び7を結合させた結合商標も認められています。)。
このうち、5から9までの5つの類型は、平成26年の商標法の改正により登録が可能になった、比較的新しいタイプの商標です。
新しいタイプの商標とは
次のものが、新しく商標として認められるようになりました 。
動き商標
文字や図形等が時間の経過に伴って変化する商標
例えば、東宝株式会社の商標登録第5805759号(黒い画面上に「東宝」の文字が輝く映像が徐々に表れ、徐々に消えるという内容のもの(※))があります。同社の映画が始まる際等に表示されているものです。商標登録公報には、1~59の画像が掲載されていますが、そのうち4枚を抜粋しました。
ホログラム商標
文字や図形等がホログラフィーその他の方法により変化する商標
例えば、株式会社ジェーシービーの商標登録第5908593号があります。同社のクレジットカードの表面に印刷されているものです。
色彩のみからなる商標
単色又は複数の色彩の組合せのみからなる商標
例えば、株式会社トンボ鉛筆の商標登録第5930334号があります。同社の製品「MONO消しゴム」のスリーブ等に用いられているものです。
音商標
音楽、音声、自然音等からなる商標であり、聴覚で認識される商標
例えば、株式会社伊藤園の商標登録第5805757号があります。同社の製品「お~いお茶」のテレビCM等で用いられているものです。
位置商標
文字や図形等の標章を商品等に付す位置が特定される商標
例えば、日清食品ホールディングス株式会社の商標登録第6034112号があります。
新しいタイプの商標の閲覧
上記のように、新しいタイプの商標は従来の商標法の下では十分な保護を受けられなかったものの、商標として保護すべきニーズがあったものが対象となっています。
上記で挙げたものを含む新しいタイプの商標については、特許、実用新案、意匠及び商標の公報等を掲載するデータベース「特許情報プラットフォーム(J-Plat Pat)」で確認することができます。
今後の新しいタイプの商標
現時点では、日本の商標法における保護対象とはなっていませんが、米国やEU等の法制度の下では、匂い、味及び触感についての商標も登録できることとなっています。
特許庁のQ&Aでは、今後の匂いや味等の商標登録制度の導入について、国際摘な動向や国内企業等のニーズを踏まえて今後あり方を検討していくとの記載があります。
今後、日本においてもこのような商標が登録できる可能性はあるものといえます。
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