自社の商標を海外でも守るには?商標海外出願のルートについて

クリエータ
クリエータ
事業が好調なので、海外進出しようと思うのですが、ブランド名を真似されないようにしたいです。この場合、海外でも商標権をとる必要がありますよね。
弁護士
弁護士
事業が好調で素晴らしいです!でも、日本で出願した商標権は日本でのみ有効ですから、海外出願をすべきですね。
クリエータ
クリエータ
海外出願の場合、各国にそれぞれ出願する必要がありますよね。ちょっと面倒ですね。
弁護士
弁護士
各国にそれぞれ出願してもいいですが、出願国が多ければ、マドリッドプロトコルなどを利用すると便利ですよ。

国内で保護される商標

日本において通常の出願(国内出願)をして取得した商標権は、日本国内においてしか権利行使できません。そのため、例えば海外で日本での登録商標に類似する商標を使われたとしても、日本の商標権では、差止めの請求等何らの措置も採ることができないことになります。

では、海外においても自社の商標を保護したいと考える場合、どのような手段を採るべきでしょうか。

海外で自社の商標を守るための方法

海外で自社の商標を守るための手段として、大きなものでは以下の3つが挙げられます。

  1. 保護を望む国に対する直接の出願
  2. 欧州連合商標(EUTM)の出願
  3. マドリッド協定議定書(マドリッドプロトコル)による国際登録出願

1.保護を望む国に対する直接の出願

文字どおり、保護を望む各国ごとに商標出願をするという方法です。現地の制度に基づき、現地の言語を用いて、現地の商標の担当官庁に対する出願をすることになります。多くの国では、現地代理人によって手続を行うことになります。

2.欧州連合商標(EUTM)の出願

欧州連合(EU)下の制度に基づく出願をする方法です。この方法では、欧州連合(EU)全域における保護を受けられる単一の商標権を取得することが可能です。出願書類は、スペインにある欧州連合知的財産庁(EUIPO)、EU加盟国の商標の担当官庁、又はベネルクス(ベルギー、オランダ及びルクセンブルグの3か国の総称)商標庁に提出する必要があります。言語については、英語を含むEUの公用語を用いることができます(第2言語として英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、又はイタリア語を選択します。)。出願手続は、現地代理人による必要はありません。

3.マドリッド協定議定書を利用した国際登録出願

マドリッド協定議定書(正式名称:標章の国際登録に関するマドリッド協定の1989年6月27日にマドリッドで採択された議定書)は、商標について、世界知的所有権機関(WIPO)国際事務局が管理する国際登録簿に国際登録を受けることにより、指定締約国においてその保護を確保できることを内容とする条約です。この国際登録出願によれば、1つの出願で締結国の中から指定した複数国における商標権を取得することができます。日本の特許庁を通じて手続がなされるため、出願書類は日本の特許庁に提出すればよく、出願について現地代理人による必要はありません。また、言語についても、現地の言語でなく、英語、フランス語又はスペイン語のうちいずれかですればよいこととなっています。マドリッド協議議定書の締結国は平成30年9月25日時点で102か国です。

なお、1の直接の出願は、上記の欧州連合(EU)加盟国(ただし、ベネルクスの3か国についてはベネルクス単位)及びマドリッド協定議定書の締結国に対してもすることができます。
また、3のマドリッド協定議定書による国際登録出願の手続において、EUを指定することも可能です。

どの方法を選択すべきか

どの出願の方法を選択すべきかは、保護を望む国の数、保護を望む国、及び支出できる費用等のコスト等により変わってきます。
いずれの方法もメリット、デメリットがありますので、専門家に相談して、よく検討することが重要です。

クリエータ
クリエータ
そうすると、かなり広範囲に展開する予定なので、マドリッドプロトコルにすべきですかね。
弁護士
弁護士
そうですね。マドプロ加盟国を確認して、非加盟国向けは個別出願にするのがいいと思います。